Priceing

これを間違えると、せっかくの努力が…。

会いたいお客様に出会うために見本市出展を目指す皆さまに向けて、

どのように準備をしたらいいのか、について書いてきました。

今回は、価格設定についてお話します。
なぜ見本市の準備で価格の設定について考えなければいけないのか。

見本市に出るということは、商品をお持ちのはずで、商品があるということ価格も決まっているはずでは…。
と思う方は多いと思います。

 

なぜ、今さら価格設定なのか

見本市出展に際して、なぜ、今さら、価格について考えるのか、まずは、その理由についてお話をします。

それは、売れるためでもあり、自社が適正利益を確保するためです。

見本市へ出展される方の多くは、「販路拡大」を目指しています。
つまり今までお取引が無かったお客様(新しいお客様)との取引を開始するために、
コストと時間を投入して、見本市のブースに立つのです。

「新しいお客様(以下では新規客)」とはどんな方でしょうか。
新規客の販売ルートは、どのようになっているのでしょうか?

販売ルートは多様です。
1.あなたから仕入れて直接売る、
2.あなたから仕入れた物を別の小売業者に卸す(卸売業)、
3.あなたから仕入れ、それをテレビショッピング、ネットショップで売、
…。

色々なパターンがあります。
多くの場合、パターン(販売ルート)ごとに、掛け率が異なります。

ご存知の通り、間に段階が増えれば増えるほど、掛け率を低くするよう求められます。
(この記事を読まれている方にご説明するまでもないのですが、卸に限らず、人にものを売ってもらうということは、その方の顧客名簿や、その方のお店の棚をお借りすることです。

当然ですが、利用料が生じます。利用料の分だけ掛け率を低くするよう要求されるということです)

「中抜き」の動きと自社への影響

しばらく前から、「中抜き」という言葉が広まって、流通(卸)を通さないで、

製造者が小売店に納入できる機会が増えました。
最近では、某百貨店が、

「一般公募型の調達」(個人事業主も含めて直接百貨店に商品提案し、納入できる取り組み)

を始めたようです。

ですが、見本市に出て、短期間に大きくものを動かそうとしたとき、

卸やその他、販路を持つ人に動いてもらう分(低めの掛け率)を

確保しておかないとせっかくのチャンスを逃すことになります。
(端的に言うと、掛け率を低く要求されても対応できるようなビジネスモデル、価格設定にしておくのも準備の一つだということです。チャンスを広げるという意味でも重要です。)

特に注意が必要なのは、製造販売業の方です。

これまで自社直販のみ、或いは自社直販がメインだったという出展者様です。

そうした方の場合、これまでは、原価率が高くても、ビジネスが回っています。

そのままの価格設定で出展すると、先方が求めてきた納入掛け率に対応できないケースがあります。

***以下の掛け率、原価率は話を分かりやすくするための一例です***

 

「5掛けで卸して」と言われ、
「それでは赤字になってしまう、ムリ…。」というケースもよく目にします。
今まで製造直販モデルでしたらば、もし仮に原価率6割でお品物を作り、自店舗に並べ、売上がったらば40パーセントの粗利がとれる、ということで進んできたかもしれません。

ですが、見本市で出会ったバイヤーさんが卸売の方だとすると、掛け率は当然下がってきます。

なぜなら、人を介してに品物を出すということは、先方の顧客リストを借りて販売をしていただく、先方のお店の棚をお借りして商品を売っていただくということだからです。
顧客リストや棚の利用料、手数料の分だけ、掛け率は低くなるのです。

条件によって数字には幅がありますが、仮に10%の手数料を払うとしたら、掛け率もそれに連動して下げられます。

数字は、あくまでも一例ですが…。

直販メインの時であれ原価率60%で製造してビジネスが回っていた。

バイヤーさんを通すと、バイヤーさんがそのお得意様の小売店に60%で納入するためには、バイヤーさんは50%で納入できると聞いてくるかもしれません。

そうすると自社は…。
原価率60%で作っていたら、自社が赤字、または60%で作っていては自社に残るお金がありませんね。

ネット販売業者とのお取引

ネット販売業者へのお取引でも同じようなケースが考えられます。
ネットショップでは棚はありませんが、集客のために広告費用が必要です。
そうすると、先方は広告費を払っても利益が出るような掛け率で仕入れないと、商売にならないわけです。

ブースに立っていると「50%掛けで納入できますか?」、「45パーセントで納入していただくには、どのくらいのロットで発注すればいいですか?」と言ったご質問を受ける場合もあります。

どうでしょう。あなたの商品は、賭け率50パーセント、45パーセントといったラインに耐えうるでしょうか。

 

すすめるかどうかはあなた次第

もちろん決めるのはあなたです。ここで意思決定が必要になります。

大きく2種類の意思決定が考えられます。

1.とにかく、短期間で露出を高めたいので、掛け率が低くても頑張る

例えば、「1回でもいいからメジャーな流通に登場させ知名度アップを果たしたい。次のステップで、自社直販でも展開するための階段、今回は広告費と思って進める、だから赤字覚悟でもok。」
これも一つでしょう。

2.「時間がかかってもいいので、一緒に商品を育てる相手を探していきたい。」

最初から自社の掛け率でも利益が出るように、少なくともトントンになるような取引でないと…。」というケース。

意思決定ですから、判断はあなた次第。
どちらが良い、悪いという事ではありません。もちろん。

見本市出展準備で心にとめておきたい事

出展準備段階で、心にとめておいていただきたいのは、
販路が増える潮目に立っているということ。

新しい販路の取引条件(掛け率の違い)、これを理解しておかないとブースで右往左往することになります。

 

対策:

対策は、まず、自社がどこまで耐えられるか、あるいはどこまで応じる用意があるのか掛け率を明らかにしておくこと。

もっと本質的なことは、

何のために、

今回誰を捕まえたくて出展したのか

が明らかなっていれば、相手の期待する掛け率に届いているか検討できますよね。

バイヤーさんのリクエストに対して、

「ムリです、ごめんなさい」

または

「わたくしどもはそうしたお取引には対応いたしかねます。」

というか。

「今回は広告費のつもりで頑張りますんで、どうぞよろしく」

と答えるか。あなたのお考え次第。

 

何のために、

今回誰を捕まえたくて出展したのか

がはっきりしていれば、商談の答えも、すぐに出てきます。

価格表を用意しておく

納入の価格表をあらかじめ作って、印刷をしてブースのどこかに保管しておくのです。

(もちろん価格表をばらまく必要はありません。お取引させていただきたいなぁと思う方が訪れたとき、さっと取り出せるように、スタッフのみが取り出せる場所に保管しておくのです)

価格表に記載すべき事

価格表には商品名、納入ロット、納入価格、納入時期、支払いの条件、送料の負担等しっかりと書いておくこと。

これさえあれば、求められた時に「うちの基準はこれです。」と考えずに差し出すことができます。

以降の個別の交渉にスムーズに入れます。
忙しいバイヤーから見ても、準備の出来ている取引先候補として、好印象を残せることでしょう。

ここで手際悪く、手間取っていると、

「将来取引開設した後も、事務処理大丈夫かな?…」

なんて、余計な心配をさせてしまうかもしれません。

 

せっかくですから発注書も用意

それから、せっかく価格表を用意をしたのですから、発注書も作っておきましょう。
これは簡単です。
Step1.価格表をコピーして、表題を「ご発注書」に変えます。
Step2.納入価格の隣に一列追加、「ご発注数」という蘭を追加。
これで完成です。

 

早期に出展費用を回収したい時にすべきこと

もし、もうちょっと頑張れるのであれば、その場でご発注してくださる際の、特別オファーを用意することです。
例えば、「この場でのご発注に限り、送料は無料と致します。」、
「いまご発注いただければ、こちらの納入価格から5パーセント更にお引きします。」といったことでもいいと思います。

ご存知だと思いますが、新規顧客の獲得には、ものすごい費用がかかるのです。リピート客の数倍。

だったら、せっかく対面して、踏み込んだ話が出来た方とのご縁を活用しない手はありません。
(時間と、新規客獲得のコストを考えれば、ここでの特別オファーは十分元が取れます。ついでに、今回の出展費用も早々に回収できます。)

この機会を無駄にしないために、限定オファーの力でお客様の背中を押してもらいましょう。

特別オファーは、紙にしておく必要はないかもしれません。

だって特別ですから。

印刷して積み上げて置いたら、特別感は消えます。w

 

まとめ

今回は、価格設定について再検討する必要性を書きました。
販路拡大を目指して見本市に出た際、販路が拡大しそうになった時に備え、
そのチャンスを無駄にしないために、しっかりと掛け率、価格設定を考えて下さい。

 

誰と取引したいのかによって決まる掛け率

1.価格設定を考える際には、先方が示してきそうな掛け率に対応できるか、それを考慮しておいて下さい。(先方というのは、来場者の全体をさしているのではありません、あなたがお取りしたい相手、今回の見本市で捕まえたと願っている相手の事です。)

好印象をあたえ商談を加速するために

発注書

2.更に受注に結びつけるためには、ブース内に価格表を用意をしておくこと。価格表の他に発注書も用意をしておくこと。

会期中の受注額を増やし、会期後の見込み客フォローを省力化するために

特別オファー(その場での発注で特別オファ~)

3.見本市会場での受注を増やしたいのであれば、その場でのご発注限定の、特別オファーをご用意すること。
なぜなら、バイヤーさんは短時間に多くのブースを回り、膨大な商品を目にします。たとえお会いした時に非常良い感触を得たとしても、そのあと沢山のブースを回ったバイヤーさんは、あなたの商品のことを段々忘れてしまうかもしれません。そういった意味でも、「ブース内で発注を承る用意がある。」は、熱意を示すだけでなく、バイヤーさんのお時間を大切にする上でも、とても大切です。

今回は、販路拡大に備えた価格設定についてお話を致しました。もし、50%掛けで売るなんて、とても無理、そんなの嫌だ、おっしゃる方は、別途価格設定についてご支援するメニューも用意をしております。

もちろん、こうしたお考えも個人的には大好きです。

ご連絡ください。対策あります。

最後に

見本市出展は、大きなチャンスです。
チャンスを最大化するためには、準備が大事。
何かのご参考にしていただければ幸いです。
ご質問、ご要望等ございましたら、こちらから。
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今後の投稿予定******************************************************************************
• あなたのブースは1分あたりおいくら?
事前準備編
• VIP招待状を送るべき相手とは(バックナンバーをご覧ください)
• 千客万来のブースと商談の進むブース(バックナンバーをご覧ください)
• 販路拡大に備えて考えておくべきこと(価格)
会期中
• ブーススタッフが足りない場合の対策
• 受注確率を上げるための名刺整理法
• 招かざるお客様
• 商品提案(コラボ、メニュー提案、バイヤーへの情報提供等)
会期後
• 簡単にできる信用調査の方法

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株式会社 Office優 For YOU
関東財務局長・関東経済産業局長認定 経営革新等支援機関
経済産業大臣登録 中小企業診断士(登録番号408871)
代表取締役 大久保 優子(オオクボ ユウコ)

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